こべっこパン 2013
11月2日に神戸市で、パンを題材にして街を盛り上げようというイベント「こべっこパン2013」が行われた。主催はKOBEパンプロジェクト実行委員会、場所は神戸市中央区にある神戸朝日ホール。
これは面白そうだということで、神戸にいって直接イベントを見てくることに。

事務局の責任者をやっておられるのが、地元で精米や小麦粉の問屋を営んでおられる満保 善英さん。
神戸は、パンの購入金額や消費量では日本一の街。神戸港が開港した翌年には、もうイギリス人やフランス人がパン屋を開業しいてたという。歴史もあり、今もパンの街として有名であると同時に、特にこの中央区にはパン屋さんが集中している。

そんな状況であるにもかかわらず、いままでは街としても、業界としても格別そういうことを軸になにか大きな動きを作ろうとしたり、アピールしていこうとしたりということがなかった。
「それはよくないんじゃないかと。特に神戸のパン屋さん同士は中がいいんです。連携しようとするときの一体感は強い。だからそれでイベントをやってみようかと。」と満保さんはいう。

「パン業界だけじゃなくて、街というか行政も、大学も、産学官一体でもっとパンを軸に神戸を盛り上げていきたいと思うんです。」
そう、、このイベントは単にパン屋さんが集まってパンを販売するというのではなく、地元の大学生と一緒に新しいアイディアのパンを作ってみて、それを販売し、コンテンツとにしてみようというこころみなのだ。

今回は8件のパン屋さんと大学生のチームが一体となってエントリーしている。
・イスズベーカリー(神戸市中央区) × 流通科学大学 「加藤ゼミ あげぱんman」
・ケルン(神戸市東灘区) × 神戸芸術l工科大学「チームSHARK」
・サ・マーシュ(神戸市中央区) × 流通科学大学「Girls+2」
・原田パン(神戸市長田区) × 流通科学大学「高橋ゼミ」
・ビアンヴニュ(神戸市東灘区)× 流通科学大学「ぽちゃトリオ」
・フリアンド(西宮市)× 流通科学大学「VRK」
・やさしい風(尼崎市)×神戸松蔭女子学院大学「Shoin Girls」
・レ・コルト(神戸市兵庫区)×兵庫県立大学「秋吉ゼミ」
テーマは自由な発想でつくるアイディアパンと、地元神戸の材料を利用した地産地消パンだ。それぞれ1つ、1チームで2種類のパンを作って販売し、購入した人がそれぞれ1番気に入ったパンに1票を投票するシステムになっている。

スタートは午前11時から。
実はこの日は東京から直接行ったこともあり、午後2時前くらいに会場についたのだが、早くもいくつかのチームでは売り切れとなってしまっていた。お昼前後はかなりの大行列だったらしい。
あわてて、残っているパンを買ったのだが、それでももうこれしか買えなかった。すみません、次回はもっと早くいくようにします。

フリアンド×流通科学大学「VRK」
地産地消パン ソウル
やわらかパン中に、肉でつつんだゆで卵が。

サ・マーシュ(神戸市中央区) × 流通科学大学「Girls+2」
地産地消パン 神戸marche
焼やさいが甘い。

原田パン(神戸市長田区) × 流通科学大学「高橋ゼミ」
アイディアパン トマト鍋パン
見た目よりも味付けが抑え目で上品。

ビアンヴニュ(神戸市東灘区)× 流通科学大学「ぽちゃトリオ」
地産地消パン お茶漬けパン
肉がはさんである。なんでお茶漬けパンのなのか聞いてくれば良かった(笑)。

ケルン(神戸市東灘区) × 神戸芸術l工科大学「チームSHARK」
地産地消パン 神戸牛菜魚の和風パスタドッグ
トマトとみず菜が効いてる。

実際にパンのアイディアを出した大学生が販売も行っていて、総選挙の投票で優勝が決まるということもあってこれがもう、めっちゃ元気。ちなみに黄色のシャツを着ているのが大学生やスタッフの方、ブルーのシャツを着ているのがお店のシェフ。
世田谷パン祭りやパンフェスでも一部大学と連携していたお店もあったが、この元気さはちょっと違う。なんというか、大学生とシェフとの一体感が強く、本当にこのイベントを楽しんでいる雰囲気が全体にあふれている。パンが売り切れていても、この空気にふれているだけでこちらも楽しくなってくる。

総選挙の投票結果はレ・コルト(神戸市兵庫区)×兵庫県立大学「秋吉ゼミ」が優勝に。
でもそれ以外のパンもすごくおいしかったし、投票結果に関係なく学生も、お客さんも、みんな楽しそうだ・。
サ・マーシュの西川功晃シェフにいろいろお話を聞かせていただいたのだが、やはりこの一体感については感じるものがあったらしい。
「みんな気持ちのいい仲間ばかり。本当に楽しくイベントを行うことができた。」
パン屋さんと学生とお客さんの一体感で盛り上がったこべっこパン2013。
東京でもこういうイベントがあってもよいと思うし、何か一緒にないかできたらいいなとおもった。
(平岩 高弘)