バゲット・マルシェ シェフインタビュー

1月17日金曜日から19日日曜日の3日間、東急ハンズ渋谷で20軒のブーランジェリーのバゲットやハード系のパンを販売する、バゲット・マルシェを開催させていただいた。

私としても東急ハンズ渋谷としても初めての試みであり、いろいろともたついたりした部分はあったのだがなんとか無事盛況のうちに終了することができた。ご協力いただきましたパン屋さんの皆さま、ご来店いただきました皆様、本当にありがとうございました。

今回の開催にあたって、ハンズの責任者の方から依頼があった時に一つだけこだわったことがある。それは「人」にフォーカスすること。パンを販売するイベントは最近多くのところで行われていて、他のハンズ店としても初めてではない。

そういうイベントもシンプルでいい。私も好きで、よく出かけては買って帰ってくる。

ただ、私自身は以前からパンを作っているシェフが、どういうことを考えて、そういうことにこだわって作っているのか、工夫しているのかということにすごく興味があって、そういうことも含めてバゲットの楽しみだと考えてきた。だから今回は、そレが伝えられるイベントにしたかった。

だから参加いただくシェフ20人全員にインタビューをさせていただいて、それをコンパクトにまとめて会場に展示させていただいた。展示する紙のスペースが限られているため、本当にわずかな文章しかのせられなかったのだが、それでも予想以上に好評で、来場者の多くの方がその文章を携帯のカメラで写していた。

それと同時に「あの文章をウェブでも読めるようにして欲しい。」というご意見も本当に数多く寄せらていて、私自身もびっくりしている。

あれだけおいしいバゲットを作る人が、あれだけ味わいの異なるバゲットをつくるシェフたちの一人一人が、どんな人で、どんなことを考えているのかということはやっパリみなさんも気になるんだなと。

それで、今日、明日と明後日の3日間で展示した20人のシェフの文章を基本的にそのまま、こちらに記載することにしました。記載の順番は、お店の名前の50音順です。

 

■ BOULAMGERIE ianak!

金井 孝幸シェフ

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金井シェフ

 

平岩:パンの作り手としての金井シェフにとって、バゲットっていうパンはどんなパンなんでしょうか。

金井シェフ:作り手としてですか・・・・・・そうですね、一番コアなパンですよね。

基本となる、むずかしい、奥が深いパンですね。すべての作業が最終的なパンの出来上がりに大きな影響を与えてきます。材料が、塩と粉と、水と酵母ですから材料がシンプルですよね。シンプルだけにデリケートなパンです。

職人としても力がはいりますよね。一番最初にやるし、バゲットがちゃんと作れるといいよっていうかそれで一人前というか。でもそれで終わりじゃないんですよね。一番気になるので、その後もずっと考えてる。やっぱりリーンなパンの中でも、一つ一つの作業が一番出ちゃうパンなんで気にせざるをえないんでしょうね。

 

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「フランスパンは硬い」というイメージを変えたいですね

 

平岩:そういうバゲットを作るうえで、金井さんがイメージしているバゲットってどういうものですか。

金井シェフ: 食べやすいものですよね。口どけが良くて、歯切れのいいものが第一ですね。そして味がいい。フランスパンってどうしても硬いっていうイメージがあるじゃないですか。そういうものではないんですよね、という感じ。

そのためにはミキシングから始まって、いかにストレスをかけずに成形まで持っていくかというところがポイントですね。ストレスをかけるとどうしても引きが強くなってしまいます。

平岩:バゲット・マルシェに来ていただいたお客様に一言お願いします。

金井シェフ:バゲットは、気取らず、固くならず、こだわらずに気楽に食べていただきたいですね。ぜひ当店のバゲットも試してみてください。

Tel  : 03-3822-0015

Adress  : 東京都 荒川区 西日暮里 4-22-11

 

■ いのいちベーカリー

神田 恵一郎シェフ

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神田シェフ

 

平岩:バゲットってどんなパンですか

神田シェフ:一番シンプルなパンなので、個人の考え方とか、技量とか特徴が出やすいパンですよね。

当店ではごはん感覚で、おかずといっしょに食べていたけるようなパンを目指しているので料理に対して出しゃばらないというか、そういうイメージで作っています。

食感に一番気を使ってますね。次の日にたべても老化が抑えられてて食感が変わらないような、食感が印象に残るようなバゲットです。

バゲットに関してはホントに最初から試行錯誤していて、これからもしていく感じですね。

 

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食感が印象に残るようなバゲットを目指してます

 

平岩:どんな食感が神田さんの理想なんですか。

神田シェフ:歯切れが良くて、理想的には軽く力を入れただけで噛み切れるようなバゲットが理想です。まだそこまでいっていない部分もありますが。まだ引きが強いなっていう部分があるんですよね。歯切れがいいって言われることも多いんですけど、そこはもっともっと追いかけたいところなんです。

あとは味わいが深いというか、ご飯と一緒で噛めば噛むほど味が出るというか、よく噛んで食べたくなるようなバゲットを目指しています。

平岩:バゲット・マルシェに来ていただいたお客様に一言お願いします。

神田シェフ:バゲットは家庭の数だけ食べ方があっていいんじゃないかと思っています。バゲットとかリーンなパンは、食べなれない方には少し抵抗があるかもしれませんが、こういう機会でいろいろ比べてたり試したりしてみて、おいしいなと感じたり面白いなっていう風に興味を持っていただけたらいいなぁと思います。

Tel : 0422-24-7197

Adress : 東京都 三鷹市 井の頭 1-30-22  青山店舗1F

 

■ Boulangerie Auvergne

井上 克哉シェフ

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井上シェフ

 

平岩:井上シェフにとってバゲットってどんなパンですか。

井上シェフ:作り手から見るとパンの基本ですかね。

粉と水とイーストと塩だけで作るパンですからね。もちろん、うちで教える時も一番重要視しています。技術的にも難しいという部分があるし、粉のうまみ、甘み、そして香りまだ出せるようになるまでがけっこう大変ですし、内層の状態も大事です。そこまで出来て、それが基本ですからね。ほんとに一番重要としているところです。

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種の管理がポイント

 

平岩:バゲットを作るときに一番こだわるのはどういうところですか。

井上シェフ: うちはポーリッシュ法を使っていますので、種の管理に一番気を使いますね。

ポーリッシュだとクラストが薄くできて、軽くて食べやすい仕上がりになります。それに水の比率が上がるのでクラムもしっとりしたものになるんですよね。バゲット・オヴェルニュではそういうバゲットをイメージしているので。

逆にルヴァンバゲットの方はクラストが厚く引きが強いイメージで作っています。お好みのに合わせて食べてみていただいてもよいですし、食べ比べてみても面白いかと思います。

平岩:バゲット・マルシェに来ていただいたお客様に一言お願いします。

井上シェフ:ぜひご来店ください。渋谷からはなかなか遠いんですけ(笑)。お店でお声掛けいただけるとうれしいです。

Tel  :    03-3691-5102

Adress  : 東京都 葛飾区 立石6-5-7

 

■ パン工房 風見鶏

福王寺 明シェフ

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福王寺シェフ

 

平岩:風見鶏では本当に多くの種類のパンを作ってらっしゃいますが、その中でバゲットっの位置づけってどういうものなのでしょうか。

福王寺シェフ:常に追っかけてる存在ですね。

作り手によって一番味が変わるパンですよね。もちろんクロワッサンでもなんでも差は出るんでけど、一番違うのがバゲットですよね。だからみんな常に追っかけるんじゃないでしょうか。

カンパーニュとかもシンプルなパンですけど、カンパーニュは寝かし籠が助けてくれるじゃないですか。バゲットはそういうものが何もない。あの形、あのスタイルは作り手が決めなきゃいけないんですよ。成形、大きさ、クープ入れ方。クープだって何回入れるかで生地の具合が全然かわってしまいますし。

 

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バゲットは常に追っかけている存在です

 

平岩:それだけ追っかけているということは製法もよく変わるんですか。

福王寺シェフ: 自分なりにみんな「発酵学」があるとおもうんですが、私も発酵についていろいろ工夫したり試したりします。どっかで冷蔵にいれるとか、常温でいくとか。そこはどんどん進化させていく感じですね。

あともちろん、粉を変えてみたりもします。どこかで変わった粉が出たりすると一度使ってみたりとか。私はけっこういろいろブレンドする方なので、よくいじりますね。「粉の哲学」とかありますよ(笑)。立ち上げる力の粉と、伸ばす力の粉とかね。抑える力の粉とか。うどん粉もつかったりしますよ。

平岩:バゲット・マルシェに来ていただいたお客様に一言お願いします。

福王寺シェフ: 今回出しているバゲットは2日目でもおいしく食べれるように工夫したバゲットを出してみました。熟成が進むというか、2日目の方が香りが強くなって、食感は硬く難りづらいようなバゲットを目指したつもりです。

なかなかうちのパンが渋谷までとどくことはないので、これを機会に試していただいて楽しんでいただければ嬉しいです。

Tel : 048-874-5831

Adress : 埼玉県 さいたま市 南区 大谷口 5338-6

 

■ カタネベーカリー

片根 大輔シェフ

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片根シェフ

 

平岩:片根シェフにとって、バゲットってどんな存在なんですか

片根シェフ:バゲットって日常のパン、特別ではないパンですよね。

あと、どういうバゲットを作るのかっていうのは作り手の性格とか、地域性とかでますよね。こうなんていうか、繁華街のパン屋さんだと味付けも派手というか、ちょっとたべてもインパクトのある味にするだろうし。

僕は地元のお客様に毎日買っていただけるようにということを第一に考えているので、普通っぽいけど、たべていると何となくあとをひくというか、また食べたくなるバゲットをめざしてます。 どんなバゲットを作っている人も、みんなこだわって作っているというところでは一緒だと思いますね。

平岩:具体的に言うとどんなバゲットをイメージして作ってますか。

片根シェフ:軽くて食事に合う、バランスがいいバゲットですね。食感、香り、味。そのバランスがいい感じ。

バゲットって買ってすぐ食べるものだと思うんですよ。翌日たべるならカンパーニュとかの方がいいんじゃないかな。やすくておいしくてすぐ食べる、それがバゲットだとおもいます。

平岩:イベントに来ていただいたお客様に一言お願いします。

片根シェフ:ぜひ、お店にきてみてください。本当は近所に引越して来てもらえれば一番うちの良さがわかると思うんですけど(笑)。お客様の日常に入り込むというか、そういうパン屋を目指してます。お店で声をかけていただくとうれしいです。

 

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特別でなく普通っぽいけど、また食べた多くなるバゲットを

 

平岩:具体的に言うとどんなバゲットをイメージして作ってますか。

片根シェフ:軽くて食事に合う、バランスがいいバゲットですね。食感、香り、味。そのバランスがいい感じ。

バゲットって買ってすぐ食べるものだと思うんですよ。翌日たべるならカンパーニュとかの方がいいんじゃないかな。やすくておいしくてすぐ食べる、それがバゲットだとおもいます。

 

平岩:バゲット・マルシェに来ていただいたお客様に一言お願いします。

片根シェフ:ぜひ、お店にきてみてください。本当は近所に引越して来てもらえれば一番うちの良さがわかると思うんですけど(笑)。お客様の日常に入り込むというか、そういうパン屋を目指してます。お店で声をかけていただくとうれしいです。

Tel  :  03-3466-9834                

Adress  : 東京都渋谷区西原1-7-5

 

■ SAWAMURA

森田 良太シェフ

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森田シェフ

 

平岩:イベントのたびにお聞きしていますが、改めて森田シェフにとってバゲットってどんなパンですか。

森田シェフ:お店の顔ですね。一番買っていただきたい商品です。

他のどんなパンよりも、バゲットがおいしいといわれるのが一番うれしいです。材料的にも一番シンプルなパンなので、作り手の腕が一番試されるパンでもありますし。

日が変わっても同じようにできるように、毎日水加減をかえてますし、季節によって温度管理も変えなければいけません。どこもそうだと思いますけど、毎日微調整しながらつくってます。

 

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料理に負けない存在感のあるバゲットを目指してます

 

平岩:老麺を使ってるんですよね。どんなイメージを目指してますか。

森田シェフ:そうですね。老麺をつかって、長時間の発酵をしています。

バゲットって食事と一緒に食べるパンじゃないですか。だから自分としては料理に負けない味のパンを目指してます。ここはちょっといろいろ意見があると思いますし、料理人の方からはちょっとでしゃばりすぎっていわれると思うんですけど(笑)、自分のバゲットはバゲットとして十分においしくてそれだけの存在があるパンにしたいと思っています。

粉も5種類つかっていますが、これも多ければいいというわけではないんですがいろいろ試してみたらこうなったというか、必然的にこうなったと思ってます。

平岩:バゲット・マルシェに来ていただいたお客様に一言お願いします。

森田シェフ:ぜひ試していただいて、もし気に入っていただけたらお店の方にも来ていただけたら嬉しいです。それと私の考えとしては、まずはご自分の家のそばにおいしいパン屋さんがあるのが一番だと思うんですよね。これは言っちゃいけないかもしれないんですが(笑)、やっぱりパンは「日常」だとおもうので、これを機にご自分のおうちの周りのおいしいお店を探していただいて仲良くなっていろいろ話したりして。それでたまに当店にも来ていただいて楽しんでいいただけるのがいいかなぁと思うんです。

Tel  :  03-5421-8686

Adress  : 東京都 港区 南麻布5-1-6 ラ・サッカイア南麻布1・2F

 

シェフのインタビューは明日も続きます。

(平岩 高弘)

 

 

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