Baguette Life バゲットがおいしい バゲットがたのしい 

チャリティ製パン講習会in東京 2017/4

第15回を迎えましたチャリティ製パン講習会を取材させていただきました。

いままでもなんとなく気になっていつつもタイミング的な問題などいろいろあって中々ご縁がなかったのですが、今回、バゲットライフやイベントの「利きバゲット」でもお世話になり、パン教室Bien Cuitビアンキュイでレッスンもお願いしてます根本孝幸シェフがゲストシェフになるということもあり、はじめて参加させていただきました。場所は何度も訪れている日清製粉(株)の小網町加工技術センターです。いやー楽しみだなぁ。

 

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右から山崎シェフ根本シェフ一人置いて森本先生

 

東日本大震災復興支援を目的としたこのチャリティ、主催は元Gerard Mulotの山崎豊シェフです。今回気持ちよく取材の虚をいただきましてありがとうございます。いきなりランチの話に飛んじゃいますが、山崎シェフが作られた何種類ものパンがたくさん用意されていまして、これがもう素晴らしくうまい!バゲットももちろんありまして、バリッとした食感とどっしりした風味のバランスが素晴らしかった。買えるものなら買って帰りたかった(笑)。

 

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札幌からわざわざ駆けつけてくだすった森本先生

 

根本シェフに加えてもう一人ゲストがいらっしゃいます。ATERIER TABLIERを主宰されたいる森本まどか先生。みなさんご存じのとおり「北海道の小麦でパンを焼こう」の著者としても有名で、北海道小麦を中心としたパン作りを指導されたいらっしゃいます。今回はなんと札幌からわざわざ東京まで駆けつけてきていただいての講習です。私も初めてお会いします。

 

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チャパタ インテグラ―レに使用する種

 

根本シェフのメニューは、チャパタ インテグラ―レとパン オ ルヴァンの2種類。

インテグラ―レとは全粒粉入りという意味。あらかじめ仕込んでおいた種を使用します。そしてこのチャパタは高加水。バシュナージュして93%の吸水がレシピなのですが、生地の様子をみてさらにバシュナージュの量を増やしていきます。結果96%まで。すごい。

 

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96%加水のチャパタの生地の分割

 

90分パンチ60分のフロアタイムを取った生地はプルンプルン。もうね、見るからにすごいなぁというか扱いづらそうだなぁという感じ。分割の断面の状況は少し発酵が進んでいる様子で、今回ランチの作成をご担当されているZopfの伊原シェフからすかさず質問が飛びます。

もちろん根本シェフとしては意図的にそういう状態に持っていってるわけですが、チャリティという点からセミプロ・アマチュアの方にポイントがよく理解できるようにと伊原シェフの進行がとても親切でわかりやすい。

最後の振返りで「あと2%ほど水分を増やした方が良かった」と根本シェフ。全粒粉のおかげで思ったよりも生地が締まってしまったとのこと。えーこれで想定よりも締まっていたということですか!やはりプロシェフの領域ってすさまじく深いですね。

 

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チャパタの成形

 

根本シェフのチャパタの成形がまたカッコイイ。

生地を両手で持ち上げて指の感触だけで生地を引っ張りのばしていきます。この時、目線は生地から外れているのがポイント。指に全神経を集中させていることがよくわかります。伊原シェフのコメントが「指で見てるよね。」とこれまた的確かつわかりやすい。のびるものはのばすし、のびないものは無理にのばさない。だから1本1本の長さがマチマチになっています。まさに生地との対話そのもの。

 

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森本先生と黒千石のイギリスパンの生地

 

みんながワクワクして期待している森本まどか先生のメニューは3つ。

黒千石のイギリスパン、雑穀と胡麻のパン、栗粉のバゲット。黒千石とは北海道で取れる黒大豆の名称で小粒であるにもかかわらず、栄養価が高くて風味も豊か。そして黒い外皮と鮮やかな緑の中身の対比が美しい。綺麗な食べ物ってかならず美味しいですよね。

そしてとかちの酵母を使っていることもこのパンの個性の一つ。北海道十勝清水町のエゾヤマザクラのさくらんぼうを分離源とした酵母で、無糖・高糖ともに使えて香りが良いのが特徴。

 

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黒千石のイギリスパン 窯入れ前

 

森本先生のレッスンは楽しい。

明快でわかりやすい解説がテンポよく続きます。十分に練られたシナリオを演じる役者のようなテンポの良さ。きいていて心地良ささえ感じます。なんというか「人にモノを正しく伝える」ということの経験がとても豊富な方でないと、なかなかできない空気がどんどん教室の中に膨らんでいくような。

ここからは私の勝手な推測にすぎませんが、これはやっぱり「聞いてる側が何がわかならないのか」ということを良く知っているからこそできる事。相手の理解を深めることがレッスンの大きな目的の一つであるわけですが、だからこそ相手の理解力を把握して相手が理解できる言葉で伝えていかなければ、どんなにレベルの高いお話しももったいないことになってしまう。ここは私が主催しているビアンキュイでも一番重要視しているところです。

森本先生のレッスンはそういう意味でポイントを押さえているからすごく生徒との距離が近い。きいている側がどんどん引き込まれていく様子がはたで見ていて良くわかります。だからみなさん時間を忘れて聞き入っている。

 

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井上シェフ(左)と伊原シェフ(右)

 

おそらく毎回参加されているであろうAuvergneの井上シェフとZopfの伊原シェフももちろん参加されています。

ランチ用のパン「麦の恵み」の成形をデモ。とにかく早い。でもこれでもおそらく抑えて作業されているのでしょうね。

 

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麦の恵み

 

そしてランチのおかずは伊原シェフがご担当。チキンのマスタードソースは、Zopfのカフェで出されている人気のメニューとのこと。シャルキュトリーやサラダもたっぷりついて何ともリッチなランチです。これにスープまでついてきます。

 

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伊原シェフのランチプレート

 

ランチのパンは麦の恵み以外にも山崎シェフが焼き上げましたバゲットやバナナブレッドやバゲットもどっさり。ひととおり取り終えた後もお代わり可能な状態ですので、もう食べ放題に近い量ですね(笑)。これだけでも十分に来たかいがあるというものです。

冒頭にも書きましたが山崎シェフのバゲットが美味しかった!しっかり火が通っていて(ビアンキュイ)、香ばしいクラストに風味豊かな内層。どっしりした味わいが、食べた人を豊かな気持ちにしてくれるようなバゲットです。

 

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山崎シェフのバゲット

 

森本先生の雑穀と胡麻のパン。

森本先生は個人的にはセミハードなパンが一番お気に入りとのこと。ハード系よりも多くの方の好みにマッチしやすく、風味も楽しめるのが理由だそうです。そして今回のメニューの中でそれを一番体現しているのがこの雑穀と胡麻のパン。

 

 

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雑穀と胡麻のパン

 

成形でコルプ型にいれるのですが、これがまた一工夫されていてます。100均で売っているようなざるに、4つの切れ目を入れたキャンバスを置いただけのもの。でもこの切れ目が入っているおかげで、ざるの大きさに関わらずキャンバスがフィットするため普通のバヌトンのように使えます。なるほど~、目から鱗状態。

 

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クープを入れる森本先生

 

ホイロを取ってクープを入れて焼成へ。

 

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雑穀と胡麻のパン

 

雑穀と胡麻のパン、焼き上がり。

この焼き色がたまらない。

 

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パン オ ルヴァン 粉をふる根本シェフ

 

根本シェフのパン オ ルヴァン。

カンパーニュ種とルヴァンリキッドを使って仕込みます。

 

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根本シェフのクープ入れ

 

リキッドを使って香り良く仕上げる。「このパンは焼いてから4日目位が一番食べごろだと思います」と根本シェフ。

 

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根本シェフ パン オ ルヴァン

 

焼きあがったパン オ ルヴァン。

どっしりとした重みを感じます。

 

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山崎シェフのバナナブレッド

 

講習会も終盤にさしかかり、どんどんパンが焼けきます。

 

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森本先生の雑穀と胡麻のパン

 

 

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根本シェフのチャバタ インテグラーレ

 

 

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チャバタ インテグラーレ

 

 

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森本先生の栗粉のバゲット

 

 

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森本先生の黒千石のイギリスパン

 

 

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根本シェフのパン オ ルヴァン

 

はじめて参加させていただいたチャリティ講習会。とても楽しく、また充実した内容でした。

こういうセミプロ・アマチュアの講習会が今後増えていくのが市場の流れのような気がします。参加される方のすそのがどんどん広がっていくような形になるとよいですね。日本の製パン技術の素晴らしさを多くの方に理解してもらうことは、色々な意味で大事なことだと思うのです。

(平岩 高弘)

 

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