ビアンキュイのアドバンス修了証の意義
■ビアンキュイが2017年度の修了証をお渡ししました
2018年3月、一年間努力を続けた会員の皆さんに対してシェフから修了証が送られました。まずベーシックコースの修了証。そして昨年にベーシックを取得されてアドバンスに挑戦されたかたにはアドバンスの修了証が。
それぞれ、担当のシェフのサインが入っている貴重なものです。
https://biencuit.jp/certificate/index.html
アドバンスについて少し長くなりますが書いてみます。
アドバンスコースの修了証の発行は今年が初めてです。そして基準がとても厳しい。
国家資格の試験でもない場合、試験と称しながらも実はほぼほぼ授業を何日かうけて、形式的な試験をうければ全員合格という学校が結構あります。高い授業料をいただいていればなおさら落としてそのままというのは気が引けます。
経営的にだって?かもしれません。誰も合格しないならだれも受けなくなるかもしれない。
ビアンキュイはそのレッスンレベルの高さを一番の特徴にしています。レッスンのレベルの高さについてはどこのパン教室にだって負けない自信があります。そのせいか、受講者のみなさんはどの方も家庭製パンの腕に覚えのある方ばかり。中にはプロのパン屋さんにお勤めのかたまでいらっしゃいます。
それだけ生徒さんもハイレベルなのに、全員不合格とかになったら果たして納得してもらえるかどうか。うーーん。
■合格の基準設定で試験1か月前までシェフと揉めていました
ビアンキュイのアドバンスコースはかなり高い基準を設定した絶対評価です。受講者が提出した課題に対してシェフが採点し、最終的な合否を判定します。
今年の基準を決める際にも、2017年の秋ぐらいから何度もシェフとミーティングを重ねました。シェフとしての要求がかなり厳しいからです。
「本当にそんなに厳しい基準で行きますか?」
なんどそういう形で基準の見直しをお願いしたことか。私としてはもちろん形式的な試験にしたくはないのですが、だからといって全員不合格となってしまっても、ちょっとあれだしなと。
でもそんな運営サイドの心配は全く忖度されることもなく、試験が行われる1か月前にあたる今年の1月には当初の予定通りシェフの決めた基準で行うことを決定しました。
根本シェフも児玉シェフも、
「自分の名前が書いてあってサインもするんだろ? そんな低い基準だったらサインなんかできないよ。それに2年目でしょ?」
と。
そりゃそうですよね。
そしてついにその基準通りに試験が行われました。
結果は、やはりかなりの受講者の方が涙をのみました。
でもなんと3名の方がみごとに合格!
運営者としてもとてもうれしいのと同時に、その努力に対して頭が下がります。本当に難しい試験でしたから。試験は2回行います。昨年8月と今年の2月。
昨年の8月の段階では合格まで厳しそうな方ばかりでした。この6か月の間に飛躍的に技術が向上した方が合格しています。
その間の努力は並大抵のことではなかっただろうなというのは、容易にわかります。
■技術は作った回数が物をいう
ペーパーテストじゃありませんから、何かを暗記すれば合格というものではありません。難しい理屈を知っていても関係ありません。誰もが感心するようなうんちくをいくら詰め込んでも点は上がりません。
実際にパンを焼いてシェフに食べてもらって認めてもらわなければならない。
試験で提出するパンはストレート法で最低4時間はかかります。
10回焼こうと思えば10日かかるし、30回焼こうと思えば30日かかる。やる気だけではどうもならず、知識だけでもどうにもならず、実際に時間を掛けなければ技術は向上しないのです
こう書いていると、パン作りってスポーツと似ているなと思います。やっぱり練習が大事。
一流の指導者がきちんと整理した基礎を身に着ける練習。基礎ができてない人間が「自分はこれが得意」といっても結局それは筋が悪い我流で終わってしまうことがほとんどです。
スポーツがうまくなりたければ、と同様にパン作りがうまくなりたければ、一流の人から教わったとおりにそれができるようになるまで何度も何度も練習するのが一番の早道のような気がします。
アドバンスに合格された方は、短い間にグンと成長されました。それはシェフも認めるところです。
パン作りは自由ですけれど、やっぱりビアンキュイは今までにない一つの新しいやり方なんだなと改めて思いました。
ビアンキュイはこちらです。