【人手と経営~人手倒産】

働き方が変わってきている。
いままでは好景気になれば人で不足になっても、いずれはまた景気が減速して働き手が確保できた。また今回も同じようなことだろう、と考えている人も多いようだ。

だが果たしてそうだろうか。少子化が進み、低価格な製品が大量に輸入され、生活水準は豊かになり海外で働く若者も増えてきている。同じ苦労をするなら日本で苦労するより、経済成長の高い国でしたほうが手に入る果実はずっと大きい。

この構図は別に新しいものではなく、これ以上農地が広げられない農村で苦労するより都会に出て職を探したほうが良いという、日本に限らず世界中が経験した都市の人口集中と地方の過疎化の現象と本質的に変わらない。

農村でも過疎化が進んだ地域とそう出ない地域に分かれたように、産業でもまだ人手があつまる業種と集まらない業種に分かれていくだろう。集まらない業種の代表は、低賃金・長時間労働・休暇取得など当然の権利が無視されるなど労働環境の悪い領域だ。

飲食業などは今のところ分が悪いほうの産業だろう。

最近はあまり聞かないが、黒字倒産という言葉がある。利益が出ているのに会社がつぶれる現象だ。昔は過剰投資などが原因でこういう現象が起きた。

これからは「人手倒産」という現象が出てくるかもしれない。利益も出ている、お客さんの支持も高い、キャッシュもある、それでも倒産する。原因はその職場で働く社員がいなくなってしまうから。社員がいなければいかに技術があったところで売る製品が作れない。
製品が並ばなければ、お客もお金の払いようがない。

ちょっと前までは顧客の取り合いであった。商品なら顧客のニーズをサービスなら顧客の時間を取り合っていた。
今目でもその構図は変わらない。

かわったのは顧客の取り合いと同時に、社員の取り合いがより重要になってきていることだ。お客様に接するように自分のところの社員に誠意をもって接することができない組織に優秀な働き手は集まらない。
人は誰でも自分や自分の家族のために働くのであって、あなたやあなたの会社のためには働かない、そうあなたと同じように。

どの業界でも、最初はみな経験の少ない人から始まる。その初心者にもそれならりの賃金と、待遇と、期待と尊敬をもって遇する組織だけが生き残るだろう。

「半人前に仕事を教えて給料まではらってやってるんだ」的な発想で初心者を扱ったり、「ここまで育ててやったのに転職する何んてとんでもない」的な考えがあるような職場は厳しいだろうなと思う。そんなところで働かなくてももっとまともな職場はいくらでもあるから。

人手が集まらないのは、顧客に商品が売れないのと同じで経営が悪いからという理由以外に理由を求めるべきではない。
「べきではない」といったのは、客観的にほかに理由があったとしてもそれを自分で解決する課題にしなければ結局倒産してしまうから。

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